中長期在留者に必要な「入管法上の届出」について

届出・届出手続き

ビザが許可されたあとも、日本で安心して生活し続けるためには、中長期在留者が行うべき入管法上の届出があります。 届出を怠ると、次回のビザ更新・変更の際に不利に扱われたり、永住許可の審査でマイナス評価となったり、最悪の場合は在留資格の取消しや罰金(20万円以下)の対象になることもあります。

ここでは、必要な届出をわかりやすく解説します。


中長期在留者とは?

次のいずれにも該当しない方を指します。

  • 在留期間が「3か月以下」の方
  • 在留資格が「短期滞在」「外交」「公用」の方

つまり、通常の就労ビザ・家族滞在・留学・永住者などで滞在している方は、多くが「中長期在留者」に該当します。


1. 住居地(住所)の届出

●住居地とは?

日本で生活の拠点となっている場所を指します。アパートや持ち家はもちろん、ホテルでも長期間滞在する場合は住居地に該当します。海外に本拠があっても、日本に生活の拠点があれば、それが住居地となります。

住居地が決まったら、14日以内に市区町村役場へ届出が必要です。

●届出先は入管ではありません

届出は最寄りの市区町村役場で行います。在留カードを持参のうえ、住民異動届を提出してください。

なお、在留カードを持参しなかった場合は、住民基本台帳法上の義務は果たせますが、入管法上の義務は果たしたことになりません。必ず在留カードを持参してください。

届出が完了すると、在留カード裏面に新住所が記載され、市区町村の押印が入ります。

●在留カードがまだ交付されていない場合

新規入国時に空港で在留カードが交付されないケースがあります。パスポートに「後日交付」の記載があるので、それを市区町村で提示して住居地の届出を行ってください。届出をしないと在留カードが郵送されませんので、ご注意ください。


2. 住居地以外の情報が変わったときの届出

対象となる項目は、以下のとおりです。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域

たとえば、結婚による名字変更などが該当します。変更日から14日以内に届出が必要です。

●届出先・必要書類

届出は、最寄りの入管窓口で行います。 必要書類の一例:

  • 在留カード記載事項変更届
  • 写真(16歳未満は不要)
  • 変更内容を証明する資料
    • 例:結婚後の氏名が記載されたパスポート、結婚証明書、日本人と結婚した場合は戸籍謄本
  • パスポート(提示のみ)
  • 在留カード(提示のみ)
  • 理由書(求められた場合)

記載事項が変更された場合、原則当日中に新しい在留カードが受け取ることができます。


3. 所属機関(会社・学校)に関する届出

所属機関とは、あなたが現在所属する会社や学校のことです。

●届出が必要なケース

  • 勤務先・学校の名称が変わったとき
  • 勤務先・学校の所在地が変わったとき
  • 勤務先・学校が消滅したとき
  • 転職したとき(退職・入社)など

変更から14日以内に届出が必要です。

※注意 「来月から新しい会社で働く予定」「来月から新しい学校に進学する予定」など、入社・進学前の届出はできません。あくまでも入社や進学をしてから届出することになります。

●届出方法

以下のいずれかで届出できます。

  • インターネット(利用者情報登録が必要)
  • 郵送(在留カードのコピーを同封。封筒に赤字で「届出書在中」と記載)
  • 最寄りの入管窓口

【郵送先】 〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目6番1号四谷タワー14階 東京出入国在留管理局在留調査部門届出受付担当

※郵送先には窓口がありませんので、直接持ち込んでも届出できません。

追跡可能な書留やレターパックでの郵送が安心です。

●よくある質問(FAQ)

Q. 留学生ですが、休学しました。届出は必要? → 原則不要。ただし休学期間が長くなると「在留資格該当性」が失われる可能性があり、変更申請が必要になることも。

Q. 大学→同じ大学院へ進学する場合は? → 同一大学内であれば届出不要。

Q. 転職と同時に在留期間更新許可を受けました。届出は? → 届出は必要です。

Q. 転職と同時に在留資格変更許可を受けました。届出は? → 届出は不要です。

Q. 契約内容が変更されました。届出は必要? → 不要です。変更が必要なのは「活動機関」「契約機関」が変わった場合のみです。


4. 配偶者に関する届出

対象となるのは、以下の在留資格で滞在している方です。

  • 家族滞在
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等

配偶者と離婚・死別した場合、14日以内の届出が必要です。

届出方法は「所属機関の届出」と同じで、

のいずれかで提出できます。

離婚または死別の届出後も日本に滞在したい場合は、速やかに在留資格変更許可申請が必要です。


5. まとめ

ビザは「取得して終わり」ではありません。 中長期在留者の方には、入管法上のさまざまな届出義務があります。これらを適切に行うことで、将来の在留期間更新・在留資格変更の審査で不利に扱われることを防ぎ、結果としてご自身の在留環境を守ることにつながります。

今回ご紹介したような変更が生じた場合は、期限内に速やかに届出を行うようにしましょう。 もし手続きに不安がある場合は、当事務所でも届出のサポートが可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

参考:

初回ご相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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