経営管理ビザの基準が変更されます(2025年10月16日施行)

経営管理ビザ

※最新情報に加筆修正済み(2025/11/28)

経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の省令が、2025年10月16日から改正されることになりました。 今回の改正では、経営者の資金力・事業計画の信頼性・日本語能力などをより重視する方向に見直されます。

この記事では、

  1. 改正でどう変わるのか
  2. すでに経営管理ビザをお持ちの方にどのように影響するのか について解説します。

改正で経営管理ビザの基準はどう変わるのか

① 資本金要件の引き上げ

現行制度では「500万円以上」の資本金があれば要件を満たしますが、改正後は「3,000万円以上」が必要になります。

現在すでに資本金が500万円程度の会社を経営している方は、増資などで3,000万円に引き上げる対応が必要になります。

また、資本金要件は、事業主体によって取扱いが以下のように異なります。

【事業主体が法人の場合】 株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社又は合同会社の「出資の総額」をさします。 具体的には、登記事項証明書や貸借対照表の「資本金」の部分が3000万円以上あれば良いということです。 【事業主体が個人の場合】 事業所の確保や雇用する職員の給与(1年間分)、設備投資経費など「事業を営むために必要なものとして投下されている総額」をさします。

② 経営者の経歴・学歴要件の新設

これまで経営管理ビザには特に経歴や学歴の要件はありませんでしたが、 改正後は次のいずれかを満たす必要があります。

  • 経営または管理について3年以上の経験を有すること
  • 経営管理または事業の業務に必要な技術・知識に関する分野の修士以上の学位を取得していること

③ 常勤職員の雇用義務

資本金3,000万円に加えて、1名以上の常勤職員の雇用が義務づけられます。さらに、対象となる職員は次の在留資格を持つ人に限られます。

  • 日本人または特別永住者
  • 永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者

④ 日本語能力要件の追加

申請者または常勤職員のいずれかが、相当程度の日本語能力(CEFR B2程度)を有することが求められます。 ここでいう常勤職員とは、③の雇用義務のある常勤職員の要件とは異なり、日本人・特別永住者・永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者に限られません。つまり、日本語能力のある技能ビザの方などでも問題ありません。

常勤職員が日本人であればこの要件は自動的に満たすことになりますが、それ以外の方の場合は、次のいずれかの方法で日本語能力を証明する必要があります。

  • 日本語能力試験(JLPT)で N2以上 に合格している
  • BJTビジネス日本語能力テストで 400点以上 を取得している
  • 中長期在留者として20年以上日本に在留している
  • 日本の大学を卒業している等

特定技能ビザの日本語要件(N4程度)などと比べると、かなり高いレベルの日本語力が求められることになります。

⑤ 事業計画の専門家確認

新たに設立する事業については、中小企業診断士・公認会計士・税理士(以後「専門家」とする)による確認を受けることが必須となりました。 具体的には、事業計画の「具体性」「合理性」「実現可能性」について専門家による評価を受け、その評価文書を事業計画書と一緒に提出します。

この評価文書には、以下の情報を記載してもらう必要があります。

  • 事業計画の具体性・合理性・実現可能性を評価した旨
  • 専門家の氏名
  • 専門家の連絡先
  • 専門家の登録番号

なお、申請人が普段から依頼している顧問の専門家に作成してもらうことも可能です。

⑥ 事業所の要件強化

自宅兼事務所は原則として認められなくなりました。 背景として、一人以上の常勤職員の雇用が必須となったため、自宅兼事務所の形態では事業運営が難しいと判断されたようです。 そのため、明確に事業専用として使用していることが確認できる物件を用意する必要があります。

⑦ 長期出国に関する取扱い

正当な理由なく長期間日本を離れていた場合、日本での実質的な経営活動が行われていないとみなされ、在留期間の更新が認められない可能性があります。

でも「長期間」とはどれくらいかというと、目安として与えられた在留期間の半分以上を合計で出国している場合に該当すると考えられます。

また「正当な理由」とは、例えば

  • 日本での経営活動のためにどうしても必要な海外での業務
  • 本国にいる高齢の親の介護

などが挙げられます。これらの場合は、長期間出国していても在留更新に支障が出ないことがあります。

すでに経営管理ビザを持っている人への影響

現在すでに経営管理ビザで在留している方については、改正施行日から3年間の猶予期間が設けられます。

つまり、2028年10月17日以降の最初の在留期間更新からは、改正後の新基準を満たす必要があるということです。

ただし、猶予期間中の更新であっても、入管では「将来的に新基準を満たせる見込みがあるか」を厳しく審査する可能性があります。 そのため、今のうちから資本金や雇用体制、事業所の確保などを整えておくことが重要です。

まとめ

今回の改正では、「資金力」「経営経験」「雇用体制」「日本語力」「事業計画の信頼性」「事業所の実体」「活動実績」といった点が、より具体的に求められるようになります。

現行の基準で経営管理ビザを取得している方も、更新時には新基準を満たす必要がありますので、早めの準備をおすすめします。

参考:

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